「幼児教育の無償化」、今度こそできるか 渡辺敦司

先の記事では自民・公明政権の選挙公約(外部のPDFにリンク)を紹介しましたが、その中に「幼児教育の無償化」があります。私立も含め、幼稚園だけでなく保育所、認定こども園を通じて、すべての3歳から小学校就学までの無償化に取り組むとしています。ところで幼児教育の無償化が打ち出されたのは、今回が初めてではありません。4年前の2009(平成21)年にもありました。

 

4年前といえば、夏の総選挙で民主党が圧勝し、政権交代した年です。その前の5月、自公政権の下で文部科学省の有識者研究会が幼児教育の無償化を提言する中間報告をまとめたことは、このコーナーでも紹介しました。

 

当時、無償化に必要な国と地方の追加公費は7,900億円(幼稚園3,500億円、保育所4,400億円)と見込まれていました。それだけ保護者が負担していたわけですが、「幼児教育の無償化への取組は世界の趨勢(すうせい)」「国家戦略上、喫緊の課題」だとして、消費税などの安定財源を確保したうえで、実施することを求めていました。同年8月の2010(平成22)年度概算要求(外部のPDFにリンク)では手始めに私立幼稚園の補助単価を6%引き上げることとし、前年度比51億円増の255億円を計上していました。

 

それが総選挙結果を受けた政権交代により、概算要求自体が組み替え(外部のPDFにリンク)に。子ども手当が創設されたこともあって低所得者層に重点化することにし、結果的には2010(平成22)年度予算(外部のPDFにリンク)に前年度比5億円増の209億円が計上されました。その後、民主政権は幼保一体化などに取り組みましたが、無償化はお蔵入り状態となっていました。

 

幼児教育をめぐっては2012(平成24)年、経済協力開発機構(OECD)が日本での普及率を高く評価したことを、当コーナーで紹介しました。OECDはそれに先立って、日本政府に対し、小学校以降も含めた家計の教育費負担の軽減に加え、保育所と幼稚園を一体化し、保育所に通う子どもにも教育機会を促すことによって、首尾一貫した幼児教育と保育の枠組みを構築するよう提言(外部のPDFにリンク)しています。すべての子どもに早期から幼児教育の機会を提供することが、その後の学力などの伸びに大きく寄与するからです。

 

文部科学省(外部のPDFにリンク)も近年、「幼小連携」や、さらに一歩踏み込んだ「幼小接続」に力を入れており、「幼児期の教育」(幼稚園や保育所、家庭教育)と小学校の教育をスムーズに橋渡しすることに取り組んでいます。新しい幼稚園教育要領(保育所は「保育所保育指針」)や小学校学習指導要領でも幼小連携(外部のPDFにリンク)をさらに推進することにし、小学1年生で生活科などを中心とした「スタートカリキュラム」を充実することも求めています。

安倍晋三首相は総選挙期間中、「公約にはできることしか書いていない」「幼児教育の無償化の財源はある」と繰り返し力説していました。公約には反映されませんでしたが、自民党の「教育再生実行本部」は総選挙直前の中間取りまとめ(外部のPDFにリンク)で、5歳児からの義務教育化も提言していました。新政権には本気で取り組んでほしいものです。 

 

(2013.1.17 産経ニュース)

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